「空からのメッセージ」
雪の結晶はどんな形?
いろいろな種類がある理由は?
「雪は天から送られた手紙である」
世界で初めて人工雪を作ることに成功した中谷宇吉郎博士の有名な言葉です。
冬の空から舞い降りる雪の結晶は六角形を基本としながら、ひとつとして同じものはないと言われています。
雪は、気温が上がるとすぐに溶けてしまう、そんな美しくも儚い雪の結晶は、
「天からの手紙」
なのです。
雪の結晶は、2012年に発表された研究によると、「大分類8種類、中分類39種類、小分類121種類」に分けられます。
分子レベルで見ると、1つとして同じものは存在しないのだとか。
【雪のはじまりは六角柱の形をした氷の結晶】
最初は水の分子が集まって手を取り合うようにくっつきます。
高いところにある雲の中はとても寒い為、水分子たちは液体の水ではなく六角柱の形をした氷の結晶(氷晶)になります。
これが雪の最初の形です。
そうして出来た氷の結晶が雲の中にある水蒸気をたくさん吸って成長して雪になります。
【いろいろな形の雪の結晶】
雪の結晶の形は「気温」と「水蒸気の量」で決まります。
温かいところやすごく冷たいところだと縦に成長して柱のような形になり、マイナス10℃〜20℃くらいのところだと横に成長して板のような形になります。
水蒸気の量が多いほど針のような形になったり、さらに成長して木の枝のように枝分かれした形になったり、様々な形になります。
樹枝六花(じゅしろっか)
代表的なパターンのひとつで中心の小さな核から、細長い「枝」が伸びている形です。
水蒸気の量が多く、気温が-15℃前後のときに枝がよく伸びます。
角板(かくばん)
雪の結晶の中でもっともシンプルなタイプでこの形をベースに、六角形の角の部分に「枝」や「板」が成長することで複雑な形になっていきます。
成長がとてもゆっくりだと角板のまま降ってきます。
広幅六花(ひろはばろっか)
水蒸気が少ないか、気温が少し高い(または逆に低い)環境でゆっくり成長します。
角板付樹枝(かくばんつきじゅし)
樹枝状に成長したあと、枝の先に板が発達したタイプです。
樹枝付角板(じゅしつきかくばん)
いったん角板が成長したあと、角の先に枝が伸びたタイプです。
十二花(じゅうにか)
角板がまだ小さいうちに空中でくっつき、十二角になります。
同様のパターンで、6の倍数で十八花、二十四花などもあります。
雪の結晶は同じ名前のついた種類でも、わずかな気象条件の違いで違う姿になります。
空の様子やメッセージを伝えてくれる雪の結晶は奥深いですね。