5次元ライティング「イメージさせる力が宿った文章」
初めまして! WiLL 編集者のユウです。
今回からちょくちょくお邪魔させていただくことになりました。
よろしくお願いします。
早速ですが、超弦理論・・・聞いたことありますか?
超ひも理論、スーパーストリング理論とも言いう物理の法則です。
私たちのいる世界は3次元であり、ドラえもんのポケットは4次元。
4次元に時間軸を加えると5次元になります。
5次元=無数の時間軸が存在する世界。
異なる時間の流れ、「パラレルワールド」という言葉なら聞いたことあるのでは無いですか?
「? なに言ってんだこいつ…」そう思いましたかね?
文章には「パラレルワールド」に行った感覚や「過去」や「未来」を想像させ、
あたかも体験したような感覚にさえすることができるんです。
文章が上手な人ほど、匂い、肌触り、熱さ、冷たさ、重量、質感、暑さ、寒さ、立体感を感じさせることができるんです。
実際そのシチュエーションを体験したわけでも無いのに、
体験した感覚にさせることができるんです。
例えば、悲しい小説を読んだとします。
ヒロインが病気で死んでしまって、その事実を受け入れられず、悲しみに打ちひしがれる主人公が描かれていたとします。
悲しい小説を読んで自分の大切な人や動物、何かを失った時の悲しみを思い出して感情が動いて号泣してしまったことありませんか?
もしくは、そんな経験はないけど「もし自分の大好きな人がいなくなったら・・・」これを想像して号泣してしまったしたり・・・
僕は昔、ウサギを飼っていました。
ある時そのウサギは、妹の両膝の上で静かに息を引き取りました。
玄関に檻を置いて飼っていたのですが、息を引き取った時は玄関の気温が少し寒くて、
シーンとした雰囲気の中、妹に頭を撫でられながらゆっくり目を閉じ息を引き取ったんです。
アニメや漫画で小動物が死ぬシーンを見ると、あの時に感じたものと記憶が蘇ってきます。
肌に感じる気温、空気の匂い、足の裏に感じる床の温度、感情、これら全てを鮮明に思い出します。
そして気付いたら号泣していることもあります。
すでに過去の話であって現実じゃないのに、
この時、次元と空間を飛び越えてあの頃に戻っているんです。
もちろん、肉体は戻っているわけではありませんよ。
感覚が飛び越えているんです。
あたかも昨日の出来事のように鮮明に思い出せるんです。
文章を読んでいる時、あなたの感覚はどこにありますか?
文章を読んでいる時、心の中はどうなっていますか?
きっと部屋に誰がいようと、雑音が響こうと、集中している時のあなたは
“自分だけの空間” に閉じこもるのではないでしょうか?
これは文章だから起きる現象です。
文章を読み、あなただけの世界を膨らませ、過去も未来も自由に行き来し、
「ああだったら良いなぁ」
「こうだったら良いなぁ」
って、妄想を膨らませることができる。
過去も未来も if(もしも)の世界すらも、鮮明に体験することができる。
それが文章術なんです。
文章において、いかに相手にイメージさせることができるか?が重要です。
擬物法、擬人法、擬態語、擬声語、擬音語、装飾語、比喩 etc・・・など、
様々なテクニックを駆使して手を変え品を変え、読み手にイメージさせます。
例えば、
「真夏のクソ暑い焼けるような砂浜で、ジューシーな肉が焼けた香ばしい匂いと共に、キンキンに冷えたビールを喉に流し込む」
想像できますよね?
中には口の中にヨダレが出た人もいると思います。
今、考えて想像しただけで、その場の雰囲気を感じたはずです。
このようにイメージさせるだけであなたの文章への反応率が2倍、3倍・・・10倍跳ね上がるんです。
“イメージさせる力が宿った文章”
僕はこれを「5次元ライティング」と呼んでいます。