「歩」

歩むとは、どういうことだろう、と考えた時、
「ただ、あるがままでいられればいいのではないか」
という所に行き着きました。

自ら前進しようとか、歩みを止めることに罪悪を感じる必要はなくて。
何もしなくても、朝が来て、夜が訪れるように、
ただ生きているだけで、日々は過ぎていく。

さしずめ、動く歩道の上にいるような状態で、勝手に月日は流れるものです。
無理せず、焦らず、誰とも比べず。
朝が来ることを楽しみにし、夜、楽しかったと眠れる日々がそこにあること。

それだけで、歩み=人生を生きる、ということになるのだと思います。
忙しない現代だからこそ、立ち止まることも必要。
少しだけ止まる、と書いて、歩、と読むのですから。


文療作家まみやゆうき

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