魅入られる
8月25日、東京ステーションギャラリーにて「甲斐荘 楠音の全貌」展を見た。
退出する時にはすっかり魅入られてしまった。
100年程過去の作品から発せられる負のエネルギーが、ヌメヌメ、ヒタヒタと皮膚から侵入してくる感覚は
「感動」とも「感銘」とも違って、魂の奥底まで響き伝わる波動だった。
大正ロマンの人気絵師でもある楠音の作風評価は、妖しげでおどろおどろしく、退廃的デカダンス。
狂おしいほどの女性美。
モデル女性の欠点をデフォルメするくぐもった情念。
暗いトーンでグロテスクなまでの妖艶さ、
そしてデロりとした「穢い絵」と、負のエネルギーに満ちている。
しかし、人を引き付けてやまない魅力はその集客力にもあらわれている。
多くの入場者で(女性が7〜8割で1人1人が真剣な眼差しで作品と対峙している姿は魅入られるのを拒否するのか、受け入れるのかを決する静かな戦いだ。)溢れていた。
日常生活を正面から一所懸命に生きる日々の連続に「魅入る」「魅入られる」事は賦活なスパイスである。
※甲斐荘 楠音の作品はネットやYouTubeで見る事が出来ます。
脳出血社長の賦活コラム
株式会社金剛 社長 遠藤伸一