環境整備

会社勤めを経験した方なら聞いた事や、指導を受けた事がある言葉の一つに「環境整備」がある。
中小企業の業績を飛躍的に上昇させる魔法の言葉とも言われている。

本当に社内、事務所内、社外を清掃する事で変わるのだろうか?
4S活動とも言われる(整理・整頓・清潔・清浄)これも聞いた事がある。

 

俺も少しは成果を上げる従業員だった頃は、
事務所前の草むしりをやるより、早く営業先に顔出しした方が良いのに…
倉庫内は材料や部品が山積でも所在が明確であれば、それで十分。

配置や表示は直角で直線上に整列させる。
床も壁もゴミ分別置場もピカピカにしようと言われるが、
それに要する時間を思うと多少、机の上が乱雑でも工具BOXがグチャグチャでも、
現場での作業がやりやすければそれで良しと思っていた。

工事車両は泥ドロ、営業車両は書類やサンプルでメチャクチャでも、
片付けや洗車するよりも早く帰宅して明日への英気を養うべきと考えていた。

 

しかし、しかしである。
経営とは全く関係の無いと思われる、熱力学の本より、上記の言葉が根源的に本当なのだと啓示を受けたのだ。

 

その啓示とは、エントロピーの法則である。

地球上の全ての動きは秩序から無秩序へ、形あるものは壊れる。
これが決まりであるが唯一、生命活動はその例外で、エントロピーを増大させながらもその活動を維持しようとする。
つまり質的劣化を承知の上で活動を続ける。

これは会社経営も全く同一で規律から混沌へ、創業から倒産、整理へと普通に活動するならば、エントロピーは増大して終了。
それに逆行して経営を続行させる力の方向性をネゲントロピーと呼び、
それは”家訓”であったり”社是”であったり”創業の理念”であり、一番身近で即行動できる事が”環境整備”なのだ。

 

つまり、エネルギーの量が増大しても、質的向上を目指さねば存続が困難な事が自然の理と理解した。

今はボロボロのオンボロ会社だが、
必ず清浄な雰囲気の立派な会社を目指して、まずは朝の便所掃除を愚直に実行し続け、
エントロピーの法則に抗うのだ。

 



脳出血社長の賦活コラム

株式会社金剛 社長 遠藤伸一

 


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