大丈夫だぁ。シナプス可塑性を信じて生くる
回復の見込みの無い後遺症に対して、何故そんな頑なまでにリハビリをやるのか、
寿命まで生きればそれで良いのではないか、どこかの詩人も言っている「念ずれば花ひらく」と。
「ありのままの自分で生きればそれが一番いいんだよ」と。
やはり花を咲かす為には水をやり、栄養を与え、日の光を当てる。
せかせかせかと出来る手当をしないと気が済まないのだ。
それで花咲かなければ仕方が無いとあきらめもつく。
脳出血の後遺症と闘う俺にとっては、脳神経系(ニューロン、シナプス)が持つ可塑性である。
こんな考えを植え付けてくれたのは発病後、1ヶ月程の急性期リハビリでの O.T.の女性Tさんだった。
「ダメージを受けた脳にも可塑性があり、そのカソ性をいかに活性化させ復活させるかが今後のリハビリのポイントよ。」
最初に聞いた時は、宗教の勧誘かと思った。
え、カソ、ヤソかな・・・。
今よりももっともっと半ボケ頭の俺はカソ性という言葉から
工事現場でのバックアップ剤とか、可塑剤、性能を増大させたり、回復させる事を言ってたなぁ〜とボォ〜っと思い起こした。
さぁ〜、それからは、くり返し、くり返す。
身体や気持ちがイヤになってもくり返す。
昔の武芸者の唱える名人達人への道である「鍛練道」とは、
鍛(3年、1000日)、練(30年、10000日)道(生涯ずーっと)。
これらはつまりくり返す事。
宮本武蔵の言う「朝鍛夕練」も朝な夕なに、つまり一日くり返す事。
生き方の根本にリハビリを加える事。
こんな事を思い出したのも、その当時の日記(半ボケ頭でミミズ文字で意味不明の言葉を書き留めていた)を見返したからだ。
しかしこのミミズ文字を見ると、その当時の暗い絶望的気分を思い出す。
健常な世界では一生出会う事の無い言葉を忘れる以上に記録し、覚えようとしていた事が、ミミズ文字からも伝わってくる。
次回は「この暗い絶望を我身に引き受けて生きる事にした賦活の書」です。
脳出血社長の賦活コラム
株式会社金剛 社長 遠藤伸一