アメージングな床下世界へようこそ(巳年に寄せて)
35才で害虫駆除業に携わり、55才にて右脳出血による後遺症(左片麻痺)による現場作業からの卒業(リタイア)となるまでの20年間で延べ1000軒以上のお客様宅の床下を調査、点検を実施した。
細い両目で観察し、軍手による手で触れ、マスク越しに床下の臭気(カビ、湿気、その他モロモロのニオイ)を嗅いだ。
今から30年も昔の床下は、どのお宅もとにかく汚かった。
何故、何〜にも無い土中より白アリ軍団がムクムクと現れるのか、
土や砂を掘り下げると端材やカンナ屑など丁寧に埋められていた箇所が、シロアリ発生源となっていた。
悪事は必ずバレるのだ。
今でも強烈な記憶として残っているのは、冬の季節の調査宅だったが、
人の良さそうなご主人から
「夏の終わり頃から、うちの婆さんを見ないから床下を気を付けて見てくれ、特に隅っこな。」
床下に突入する前の悪い冗談にしても、その婆さんにじぃーっと見られているようで気味の悪いものだった。
束や根太や大引など床下を構成する部材の交差した隙間にはよくヘビの脱殻がテロ〜ンと下がっていた。
脱殻の多い床下は美しい事に、調査員である俺は気付いた。
普通に見かけるネズミや子猫のミイラ化したものや、その臭気はもちろん全身骨格も無い。
床下に生息するヌシが環境整備をしてくれるのだ。
脱殻も1.5mを超えるサイズともなると、大ヌシである。
30年間で一度だけの経験だが、床板の下地と根太の間に脱殻がしんなりとあったので、
ライトで照らすとすぐ横に脱ぎたての本人が「見ちゃだめ!」と言いたそうな雰囲気で光の輪の中に赤青緑のウロコを濡れたように光らせていた。
俺は蛇女の幻影を確かに見た。
巳年は変革と革心の年と言われるが、中小企業の我社は毎年がヘビ年である。
昨年12月より新しい仲間も2名加わり新規事業がスタートする。
どんどんどんどん脱皮して古い全てを脱ぎ去ってより高みへ、
より良い理想を現実化する為、結果は気にせず完全燃焼する。
世間良し!お客様良し!!我社も良し!!!
脳出血社長の賦活コラム
株式会社金剛 社長 遠藤伸一