Concentration helps you relax
1日だけ...
ほんの少しの時間だけ...
あなたの幸せだけ考える
そんな時間って
ほっこりしてて気持ちいい
小学生のときに初めてゾーンに入る体験をしました。
ゾーンとは、集中力が高まりパフォーマンスが向上する状態のことです。
驚異的な集中力で予想以上の結果を出すことが可能になると考えられていて、アスリートによくみられる現象です。
例えば、新記録を出した陸上選手やパーフェクトの演技を見せたフィギュアスケートの選手は、まさにゾーンに入っていた状態といえます。
野球界では「ボールが止まって見えた」と語った打撃の神様 川上哲治さんの伝説があります。
最近では、打者がボールの縫い目まで見えた、速球がスローモーションのように見えた、などと表現する人もいます。
ゾーンに入ると集中していながら同時にリラックスしている状態になり、最高の結果が出せるのです。
最近では、「ゾーンに入る」という言葉がスポーツアニメでよく使われています。
私が小学生だった頃はゾーンという言葉は無かったと思いますが、
「あれはゾーンだった」と今なら言える体験が私にもあります。
未熟児で生まれたこともあり子どもの頃から体が弱く、風邪をひくと気管支炎と喘息になるので運動が苦手でした。
小学校にはマラソンコースがあり、教室には何周走ったかを競うグラフが掲示されていたので、嫌だけど走りにいく毎日。
昼休みになるとほぼ全員がコースを走っていました。
「一緒に走ろう」
ある日、スポーツの得意な子が声を掛けてくれました。
同時にスタートしても、その子には追いついていけないと話したところ、
私のペースに合わせるから一緒に走りたいと言ってくれて、2人で並んで走ることになりました。
いつもなら2周目で疲れがMAXになり走るのをやめていました。
その日も同じく2周目で苦しくなりましたが、隣りでニコニコしながら走る彼女を見たら
「もう1周がんばろうかな」という気持ちになり走り続けました。
走ることが得意な彼女は終始笑顔。
それに合わせて私も笑顔を返しました。
周囲からは、私たち2人がマラソンを楽しんでいるように見えたと思います。
一度も休まず6周を走りましたが、息苦しさもなく全く疲れていません。
体も軽くなって足が自然に地面を蹴っていきます。
もっと走っていたかったけれど、残念ながら始業のチャイムが鳴る前に終えました。
疲れを感じなかったのは何故だろう?
苦しいはずなのにリラックスしていたのは何故だろう?
とその頃の私には答えが出せませんでした。
今なら言えます。
「ゾーンに入っていた」のです。
2周目の苦しいときに笑顔をつくったことで、脳がバグったのかもしれません。
楽しいときに出る脳内ホルモンが分泌されたのでしょうか。
とても気持ちのいいマラソンでした。
今でこそゾーンという言葉はよく聞きますが、
当時は知識も無かったので「不思議な現象」という思い出になっていました。
また、ゾーンと同じ意味を持つ言葉として「無我の境地」という言葉があります。
無我の境地というと、ゾーンに入ることはスポーツだけに限ったことではないようです。
好きなことをしているとき、寝食忘れて没頭することはありませんか?…
気がついたら時間があっという間に経っていた、
何時間もお腹が空いていることに気がつかなかった、
など日常生活の中でも体験しています。
ゾーンや無我の境地というとなんだか意識してしまいますが、
最高に集中力が高まってリラックスしている状態になることは結構あるのかもしれませんね。
ゾーンに入るとき、人の自律神経は安定状態になっています。
自律神経が安定しているので血流が良くなり感覚も鋭くなります。
また反対に、過剰なストレスや悩みがあると自律神経が乱れてくるので、
血流も悪く感覚が鈍って、ゾーンに入るのは難しくなります。
日常生活の中で例えると、
就業時間近くで仕事がまだ終わっていないのに、買い物や夕食のことを考え始めると、
途端に脳がストレスを感じてしまいます。
早く仕事を終わらせたいと考えているのに他のことを考え始め、脳が軽いパニックを起こしてしまうのです。
仕事をするという一つのことに集中できていないために、ゾーンに入ることができません。
ゾーンに入れば仕事のパフォーマンスを上げることができるので、なんとしてでもゾーンに入り、定時で帰りたいですよね。
ゾーンに入るためには、ちょっとしたテクニックがあります。
それは、「目の前のことに集中すること」です。
買い物のことも夕食のことも忘れるのです。
買い物を忘れても夕食を作らなくてもいいと開き直るのも効果があります。
目の前の仕事に集中しているうちに、時間も周囲の雑音も気にならなくなるゾーン状態がやってきます。
そうなったら驚異のスピードで仕事を終わらせることができます。
そして買い物も夕食も、余裕をもってできると思います。
それでも仕事だけはゾーンに入れないという人に質問です。
「あなたは苦手なことをやろうとしていませんか?」
例えば、記憶力が悪いのに常に覚えることが多い仕事をしていませんか?…
アイディアがなかなか浮かばないほうなのに企画会議で発言を求められていませんか?…
体力が無いのに体力勝負の仕事に就いていませんか?…
ゾーンに入る前に仕事の内容でストレスを感じているので、集中したくても集中できません。
なぜなら、「好きなこと」をしているときに集中力が発揮されるからです。
では、どうしたら良いでしょう。
それには自分の得意な分野で自信をつけることが大事です。
自分の得意なことなら時間をかけなくてもできるし、その分野で困っている人を助けることもできます。
可能であれば、部署移動や転職を考えるのも良いかもしれません。
新しい仕事でも、得意なことなら覚えるのも早いでしょう。
それに「得意なこと」は「好きなこと」になることがありますので、好きになったら驚異の集中力でゾーンに入るはずです。
それに慣れてきたら、多少の苦手分野でも集中することができます。
「苦手だと思い込んでいたけど本当は好きかも」と考えるのです。
冒頭での小学生で体験したゾーンは「つくり笑顔」が誘発されたものでした。
脳のバグだとしても、多少の苦手分野を克服できるのならありがたいと思いませんか。
集中力を高める方法はたくさんありますが、私がおすすめしたいのは瞑想です。
好きなアロマの香りでリラックスして、何も考えずに目を瞑ります。
慣れてくると無我の境地になれます。
人の五感のうち嗅覚だけが脳にダイレクトに届くので、アロマやフレグランスは必須です。
その日の気分で香りを変えたり、自分だけのお気に入りの香りを楽しむのも良いですね。
普段の脳波「β波」からリラックス状態の「α波」になるのが早いです。
ヨガができる人はヨガもいいですよね。(初心者の私は太陽礼拝が気持ちいいと感じます)
ちなみにゾーンの脳波は「β波」と「α波」の中間あたりです。
β波(ベータ波):起きているとき
α波(アルファ波):目を閉じてリラックスしているとき
θ波(シータ波):寝る直前のまどろんでいるとき
δ波(デルタ波):熟睡しているとき