Supporting the fluctuations of the heart


あなたのリズム...
   わたしのリズム...
 ゆらぎは私たちのリズム♪

揺れながら 感じながら
 ゆらぎに寄り添い生きている

 

 

ゆらぎに寄り添う

 

「ゆらぎ」と聞くと、「1/fゆらぎ」のようにポジティブな印象を持つものもあれば、「ゆらぎ世代」や「ゆらぎ肌」といったネガティブに捉えられがちな言葉もあります。

「1/fゆらぎ」は自然界に多く存在し、波の音、風の音、焚き火やロウソクの炎など、癒しとして感じられるリズムのことです。
規則的なリズムの中に、微妙な不規則性が混ざり合って生まれる心地よさが、人の心を落ち着かせます。

この「1/fゆらぎ」は自然だけでなく、絵画の濃淡の変化や音楽、人の声にも見られます。
ごく稀に、このゆらぎを声に持つ人がいて、宇多田ヒカルさんやMISIAさん、美空ひばりさん、Official髭男dismの藤原聡さんなどがよく挙げられます。
規則性と不規則性が調和した声質は、聞く人をリラックスさせ、優しく深みのある響きを生み出します。

「あなたの声を聞いていると癒されるわ」
「あなたの話を聞いていると眠くなる」

そんなふうに言われた経験があるのなら、あなたの声にも「1/fゆらぎ」が宿っているのかもしれません。

 

一方、「ゆらぎ世代」という言葉は、閉経前後の約10年間のことを指し、女性ホルモンのバランスの変化によって心身の不調が起こりやすい、いわゆる「更年期」を意味します。

体がだるい、頭痛や肩こりが続く、気分が落ち込むなど、症状は人によってさまざまです。
女性ホルモンが徐々にではなく大きく揺れながら減少していくため、体の変化に心身がついていけず不調が出るのです。

コスメのCMで耳にする「ゆらぎ肌」も、こうした不安定さを示す言葉です。
「何歳から」とは記載されていないことが多いですが、実際の年齢と肌年齢は必ずしも一致しないため、あえて区切っていないのかもしれませんね。
あるいは、「ゆらぎ世代」の肌全般を指しているのでしょう。

 

私自身、最近風邪をこじらせてしまい、秋のアレルギーに弱いせいもあって、長引く咳に悩まされて病院のお世話になりました。
薬はなるべく飲みたくないという考えがあったため、寝込んで治そうとしたものの、治りかけで動いてはぶり返し、悪化していくばかり。
とうとう自力ではどうにもならなくなり、強めの薬を処方してもらいました。

体調を崩す原因はさまざまですが、ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れが大きく関わっています。
更年期ではなくても、季節の変わり目の「ゆらぎ」が体調に影響することがあります。
寒暖差が大きい日が続くと、体温調節を担う自律神経が乱れ、くしゃみや鼻水など風邪のような症状が出る「寒暖差アレルギー」が起きやすくなるのです。

季節の移ろいを「自然のゆらぎ」ととらえるなら、私たちもそのリズムに合わせた生活を送ることが大切なのかもしれません。
太陽とともに起き、自然に無理のない食事をし、適度に体を動かし、十分な睡眠をとる。
基本的なことですが、心身の調子を整えるには欠かせない要素です。

 

昔の日本家屋は冬の寒さに弱く、寒さを我慢して寝ることで寿命を縮めてしまったという説もあります。
睡眠は一日の三分の一を占める大切な時間。
もし寝室が寒くて快適でないなら、エアコンなどを使って暖かくし、健康を守るための環境を整えたいものです。

病院にかかる費用と比べれば、電気代のほうがずっと安いと、今回身をもって感じました。

 

さて、これらの考え方が「正しい」わけではありません。
良い悪いという評価は、物事そのものにあるのではなく、私たちの見方が生み出すものです。

暑い日を嫌がる人がいる一方で、アイスクリーム屋さんにとっては売上が伸びる嬉しい日。
雨を煩わしく感じる人がいれば、タクシー業界にとっては恵みの雨になります。
立場や状況によって見え方は変わるのです。

「冬の寒さに耐えてこそ自分らしい」と感じる方もいるでしょうし、節約のために電気代を抑えたいという方もいるでしょう。
立場や考え方は人それぞれで、特に職業によっても大きく違ってきます。

 

そして、この「良い悪い」の判断には、私たちの心の「ゆらぎ」が影響します。
その時々の価値観で重要視するポイントが変わることもあれば、感情の状態によって自分の意思や軸が揺らぐこともあるのです。

私たちが「ゆらぎ」をどう受け取るかは、その時々の心の状態や環境によって大きく変わります。
調子が良いときには、揺れ動く日々の変化を楽しめるのに、疲れているときには、同じ揺れが不安やストレスの原因にもなります。

けれどもその揺れこそ、人が生きている証でもあります。
呼吸も、心臓の鼓動も、自然界の気候も、すべてが小さなゆらぎを繰り返しながら調和を保っています。
完璧に一定であるものは、生きものの世界にはほとんど存在しません。

 

人の心も同じで、揺らぎながら、自分の中心へ戻ろうとする力を持っています。
悲しいときがあれば嬉しい日もあり、不安の隣には必ず安堵の瞬間が訪れます。
大きく揺さぶられてしまうような出来事があっても、時間の流れの中で少しずつ元の位置に戻ろうとする力が働くのです。
まるで波が寄せては返すように、私たちの感情もまた循環しながら整っていきます。

だからこそ、もし今なにかに揺らいでいるのだとしても、自分を責める必要はありません。
揺らぐことは、弱さではなく、自然で健全な反応です。

その揺らぎを「ダメな自分」と捉えるのではなく、「今は波が少し高い時期なんだな」と優しく受け止めてあげればいいのだと思います。
ゆらぎを無理に抑え込むのではなく、上手につき合い、波が静まるのを待つ。
その余白の時間が、次に進むための力を育ててくれます。

 
「ゆらぎ」は不安定さの象徴でもありながら、同時に未来への可能性でもあります。
揺らぐからこそ、新しい選択肢が見えたり、価値観が更新されたり、自分を深く知るきっかけになることもあります。
もし今日、心や体に小さな揺れを感じているなら、それは「変わるための前触れ」なのかもしれません。

自然界のゆらぎ、季節のゆらぎ、体のゆらぎ、心のゆらぎ。すべてのゆらぎを受け入れながら、自分だけのリズムで生きていけたら、日々はもう少し優しく感じられるでしょう。
ゆらぎに寄り添うということは、自分自身に寄り添うことなのだと思います。

WiLLテーマ「ゆらぎ」

 


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