言志四録

郷土愛溢れる上越タイムスの読者投稿欄には必ず目を通す。
10月度のテーマは、「私の一冊」読書週間に沿った内容だ。

投稿される私の一冊から、その人の人生や生きザマが浮かび上がってくる。
重い病で未来には絶望しか残されていない時に、それでも読んでた一冊。
経済的困窮のどん底の時に、フラッと寄った図書館で手にした一冊。
愛する家族の不幸続きでメッタ打ちに打ちのめされた時に、本棚で見付けた子供の頃読んだ絵本、古本の一冊。

と、どれもが書物とそこから発する言葉との出会いが必然であり、救いの時としている。

しかし、その内容よりももっと驚いた事は、投稿者のほとんどが80代なかばである事だ。
文章のわかりやすさ、ひかえめな主張、情景を表現する豊かな言葉。
その一つ一つが、矍鑠かくしゃくという生き方を重厚に伝えてくる。

現代のDXに習熟した我々が、80代、90代にこのような文章を紡ぎ出せるのだろうか。
(きっとAIによる文法的に誤りのない画一的なのっぺらぼうな文章を予想する。)

そんな俺の右脳出血で半分ガタが来ている脳内に響く言葉が冒頭の「言志四録」だ。

●少にして学べば、すなわち壮にして為すことあり
(小さき頃より学ぶ習慣を身に付けると、立派な大人になる)
●壮にして学べば、則ち老いて衰えず
(大人になっても学ぶ習慣を持つと、気力、智力は衰えない老人となる)
●老いて学べば、則ち死してちず
(年老いても学び続ける事は、イキイキとした人生を生き切った人として、死んだ後も忘れられない人となる)

見事な三段論法であり、俺のように自堕落で何事にもだらしない人生を送ってきた凡人はどうすりゃいいのさ。
となるが、
答えは簡単な事。仕事でも学ぶ事でも恋愛でも何でも今からスタートして死ぬまでやめない事だ。

般若心経はんにゃしんきょうの終り結語の有名な文章でも
 羯 諦 羯 諦 波 羅 羯 諦ぎゃーていぎゃーてい はーらーぎゃーてい
行け、進め、正面からの体当りだ!

と生き方を示してくれる(文中の訳文は俺の勝手な訳です)
 

賦活とは

 

 



脳出血社長の賦活コラム

株式会社金剛 社長 遠藤伸一

 


≪ 株式会社金剛 社長 遠藤伸一さんのこと